創価学会党化した自民党(その1)
07年02月01日
No.323
以下は『FORUM21』2007年2月1日号に掲載された私の論文である。
<タイトル> 排他独善、高じて批判者を抹殺する自民党
「 巨大な政治的な存在――創価学会
私がこれから論じようとするテーマは、「創価学会党化した自民党」である。自由主義政党や社会主義政党の場合、それを分析したり批判しようとしたとき、学問的な一定の概念を用いることができる。しかし、「創価学会党」なるものは日本にしか存在しない特殊な政党であるから、創価学会党とは何かをまず定義しなければならないことになる。そして創価学会という存在もまたきわめて特殊な存在である。だからけっこう厄介なテーマである。
創価学会は宗教法人法に基づく団体であることは疑いないが、宗教団体というとそこから問題とする人もけっこう多い。小泉チルドレンなどをみていると衆議院議員イコール政治家ととてもいえないように、宗教法人法に基づいて設立された団体だからといって、イコール宗教団体と呼べるかとの疑問が出てきてもそれ自体は不思議ではない。これまでも宗教法人法に基づいて設立された団体であったも、世間の普通の意味における宗教団体と呼べないものも数多くあった。
しかし本稿はこのことを直接のテーマとするものではない。それは宗教や宗教法人法の専門家に譲ることにする。本稿が対象とするのは、信者というのか会員というのか知らないが、構成員が約1000万人いるといわれていれ現に存在している創価学会という団体である。創価学会は実に巨大な社会的な存在であり、かつ政治的な団体でもある。日本の政治を論じる場合、創価学会に関心をもたざるを得ないし、それは必要なことでもある。わが国の政治学者やジャーナリズム・マスコミがことさらに創価学会から目を背けようとしていることの方がおかしいのである。
排他独善ー高じて批判者抹殺的体質
宗教的な存在としての創価学会についてどのような問題があるかのか、私はそれなりに本を読んだり、いろいろな人の話は聴いたことあるが専門家として論ずる能力も資格もない。政治的な存在としての創価学会には関心もあるし、それに関与せざるを得なかった。だからある程度勉強もしてきた。社会的な存在としての創価学会についても私はかなりのことを知っている方だとは思うが、専門的なことはいえない。
そこで私は宗教的・社会的な存在としての創価学会について、数人の専門家から集まってもらい、創価学会の特質や問題点などをて面的に聴いた。この団体は実に多くの問題点を抱えているようである。この団体の特質や問題と指摘される特異で異常な体質は数え切れないほどあるようである。
しかし、数の多いことをもってよしとしない。特に政治的な論述や演説では、問題点はひとつがいちばん良い。創価学会の場合、とてもひとつという訳にはいかないようだが、私は少なくとも5項目に絞ってもらいたいとお願いした。最終的には5項目に絞られたがこれはけっこう難しい作業だった。
創価学会の特殊な体質・問題点として、排他独善的でありさらにはこれが高じて批判者を抹殺する特異性をあげることについては全員の意見が一致した。従って、まずこの視点から創価学会の問題点―創価学会党の問題点を観てみよう。
なお創価学会党とは何かを考察する場合、いちばん分りやすいのは公明党をよく観察することであろう。創価学会も公明党も、公明党は創価学会党であるといわれることを嫌い、いろいろな策を弄しかつ意味のない努力をしているが、多くの国民は公明党を創価学会党と政治的に認識している。私もそう思っているし、本稿でいまさらこのことを論証しようとは考えていない。国民や私のこうした政治的認識は長い間の多くの事実に基づくものだからである。 (つづく) 」