久々の街頭演説
07年04月16日
No.397
昨日告示された区議選で、頼まれて応援にゆき久々に街頭演説をした。平成9年夏、自治大臣の時ちょうど都議選が行われた。自治大臣という肩書のためであろうかその時ずいぶんいろいろなところに応援に行かされたが、区議選の候補のところに応援に行くのは初めてであった。出陣式にきてもらいたいというので行ったのだが、いきなり街頭演説をさせられた。十日町市長選以来、2年ぶりの街頭演説であった。
私が応援にいった区議候補は、ひとりは世田谷区で立候補した無所属現職の上川あやさんだった。前回初当選した性同一性障害の“女性”候補である。世田谷区議選は市町村区議会議員選挙としては、全国でいちばん人口の多い選挙区で行われる選挙である。人口80万の世田谷区全体をひとつの選挙区とし、56人の議員が選出される。人口80万以上の市はあるが、それらはすべて政令指定都市であり市議会議員は政令市の行政区を単位とする選挙区から選出されるからである。日本一人口の多い区議選の選挙区の、小田急線豪徳寺駅前・三軒茶屋駅前交差点・下北沢駅北口広場の3箇所で私は街頭演説をした。
三軒茶屋駅前交差点は大きな交差点であり、各候補が顔見世的に街頭演説をするところだそうだ。私たちが演説をしようとした午後3時ころは、10人くらいの候補者がここで街頭演説をしようとしてひしめき合っていた。こうなると街頭演説をやること自体が目的のようであり、各候補の演説を聴く人などほとんどいない。しかし、豪徳寺駅前と下北沢駅前の街頭演説は、車の通行もなくいい雰囲気で街頭演説会を行うことができた。支援者が事前の連絡でかなり集まっていてくれたのと、それにつられて通行する人もけっこう立ち止まって聴いてくれた。田舎の集落の辻角でやるような感じであった。これは意外であった。
上川さんは、性同一性障害をもった男性として区議に当選したことで全国的に知られている。前回はまだ戸籍上は男性であったという。今回は戸籍上も晴れて女性としての立候補である。いい雰囲気でけっこういろんなことを話せたが、最後を「政治の諺に、“政治は男を女に変えること・女を男に変えること以外は何でもできる”というものがあります。でも上川さんは政治ができないとされていたことに挑戦した全国で初めての候補者です。皆さまの地元の困難な問題を必ず解決する能力をもっています。ぜひ皆さんの力を貸してあげて下さい」と私は締め括った。私はこれまでに万を超える演説をしているが、こういう内容の話をしたのはもちろん初めてである。
次に行ったのが新宿区の区議選に立候補したくさかべ恵一郎君である。民主党公認の27歳の候補者である。27歳であるからもちろん初めての立候補である。私は30数年前、31歳ではじめて衆議院選挙に立候補した自分を思い出した。その後私は12回選挙に立候補したが、最初の選挙のことはいまでも時々思い出す。くさかべ君がこれからどのような政治生活を送ることになるかは神のみぞ知るところであるが、今回の経験は一生のものとなるであろう。初めての立候補とはそういうものである。ここでは、戸山公園前の街頭演説会と新宿ゴールデン街の事務所前で行われた出陣式で挨拶した。
くさかべ君を応援している支持者もほとんどが選挙は初めてという若者であった。現在の若者も、それなりにちゃんと政治を考えているのだ。日々の生活スタイルや政治のやり方が私たちと違っているからといって“いまの若者は……”と嘆く必要はないようである。いまの若い者は、今風のやり方でやればいいのである。私たちもそのようにやってきただけなのだ。すべての道はローマに通じるである。くさかべ君の出陣式には、海江田万里前代議士(東京1区選出)と鈴木寛参議院議員(東京都選挙区選出)も出席された。出陣式散会の後、ゴールデン街のすぐ近くにある花園神社に参拝した。なかなかの神社であった。両候補の必勝も合わせてお祈りしておいた。
それでは、また明日。