本当に悪い奴は…?
09年03月31日
No.1127
日本中の政治メディアが、小沢一郎民主党代表の続投の是非を巡って論争している。この永田町徒然草も、小さいがそのひとつなのかもしれない。しかし、日本国民の本当の敵は誰なのか、改めて問わなければならない。日本国民をいま苦しめているのは、自公“合体”政権であり、その責任者は麻生首相である。高速道路1000円乗り放題、12000円の定額給付金などの皮相な賑わいに、“結構なことじゃないですか”とコメントを発する麻生首相に、私はわが国の政治の貧困をみる。
失業率、来年年末に7% 2百万人失職 内閣府所長指摘
来年末には失業率が7%に達し、200万人が職を失いかねない――。25日の経済財政諮問会議で、岩田一政・内閣府経済社会総合研究所長が、そんな試算を示していた。過去最悪に匹敵する5%台にとどめるにも「国内総生産を13.5兆~22.5兆円押し上げる努力」が必要と指摘している。
30日公表の議事要旨で明らかになった。岩田氏は民間議員の一人として出席している。民間予測では失業率は10~11年にかけて5%台になるとされている。だが岩田氏は「予測は楽観的過ぎる。10年の後半か末には7%ぐらいに上る可能性がある」と指摘した。経済全体でみて供給が需要を大幅に上回っているためという。 <asahi.com2009年3月31日0時14>
内閣府経済社会総合研究所がどういう研究機関なのか、私は知らない。たぶん旧経済企画庁の何らかの機関を引き継いだのだろう。お金は税金から出ている研究所の筈だ。その所長が民間議員というのも合点がいかないが、こういう予測を平気で述べることも“楽観的過ぎる”である。このような不用意な発言が、経済をまた収縮させるのだ。
長い間わが国では“経済は一流、政治は三流”といわれてきた。私たち政治家は、経済に対して遠慮していた。しかし、昨年来の経済危機に対する経済界の発言や対応を見ていると、本当にそうなのかという疑問を感ぜざるを得ない。経済の専門家の発言に私は耳を欹(そばだ)てるいるが、私にはなぜかピンとこない。
自由主義社会の経済は、市場経済で動いているのだ。この基本は自由主義経済である限り、今後とも変わりはない。「国内総生産を13.5兆~22.5兆円押し上げる努力」とする場合、市場経済を活気付けるものでなければ永続的な効果を発揮しない。何でもいいから需給ギャップを経済対策と称して埋めれば良いというものではない筈だ。2兆円の定額給付金などは、その悪しき見本である。だから、多くの国民が疑問を呈したのだ。
高速道路1000円乗り放題も同じだ。昨年の3~4月、道路特定財源の暫定税率廃止反対の論拠として挙げられた“二酸化炭素の排出の抑制”と整合性はあるのだろうか。“百年に一度の経済危機”なのかもしれないが、地球温暖化は“人類の生存”に関わる問題だ。軽重は言うまでもないであろう。グリーン・ニューディール政策やらとは矛盾しないのか。原理原則を外れた議論はどこか怪しいのだ。
今日は、このくらいにしておこう。