急所を狙え!
09年02月07日
No.1076
小泉内閣が郵政民営化を進めた時、「私は郵政民営化に賛成ではなかった」という麻生首相の発言が問題になっている。“かんぽの宿”のオリックスへの売却問題が騒ぎになっている。野党はこのふたつの問題で元気付いているが……。
野党はこのふたつの問題で元気付いているが、悪いとは言わないが本当にそれでよいのか。郵政民営化はすでに政治的に決着のついた問題であろう。それとも郵政民営化を元に戻そうとでもいうのか。前回の総選挙は、まさしく“郵政選挙”であった。その時の郵政民営化問題に対する民主党の対応はまったくお粗末だった。自公“合体”政権に圧勝されてしまった原因には、この対応のお粗末さがあった。民主党は郵政民営化問題に対する確たる定見がなかった。
郵政民営化問題の本質は、通信の秘密を守るために国がいかなる役割を果たすかだと私は考えている。通信の秘密は、憲法の基本に関わる問題である。自由主義社会にとって、通信の秘密はバイタルの問題である。お金の問題でもなければ、行政改革の問題でもない。そんな視点は民主党にまったくなかった。本質を見失った議論していたのでは、国民の心を掴まえることはできない。その結果、民主党は惨敗した。
ここで郵政民営化問題を改めて議論しようとは思わない。私が言いたいのは、この通常国会でいつものように時々の問題を追っているだけで良いのかということである。来るべき総選挙で争わなければならない問題を正面から取り上げ、堂々たる論戦を行うことではないのか。道路特定財源の暫定税率問題は何も変わっていない。年金問題は解決したのか。老人医療費問題は何か改善されたのか。平成21年度予算案には、自公“合体”政権がこれらの問題をどうしようとしているかが表れている筈だ。そういうことを正面から取り上げ、迫力ある論戦をしなかればならないと思うのだが…。
それでは、また。