立派な負けっぷり!?
09年01月23日
No.1061
この数日、自民党内の消費税をめぐる動きが報道されていた。それが“無事”決着したという。昨夜からそのニュースでもち切りだ。いかなる法律の付則にどのように書かれるのか、原文はまだ見ていない。それにしても何となく奇異な動きである。財務省の役人の姑息な知恵から出た案なのであろうが、そんなものに振り回されているのだから自民党も末期症状である。
消費増税明記でぶれ?「全然見解が違う」22日の首相
――自民党の財務金融部会で、税制関連法案の付則をめぐる政府案がきょう了承された。これについて総理はどう評価するか。
「そうですね、私の当初申し上げていた案というものが、政審で了承されたと、理解されたということだと思っておりますんで、あの、良かったと思ってます」
――一方で、政府案について、野党の一部から「消費税の増税を明記するという総理の方針から大きくぶれた」という批判も出ているが、これをどう受け止めるか。
「それ、全然見解が違うと思います」
――関連で、付則の了承後に自民党内からも、例えば中川元幹事長からは「2011年度に増税するものではない」とか、あと、若手の山本一太さんらからも「11年度の消費税の引き上げは難しい」という声もあがっている。若干趣旨が違うかなと思うが。
「あの、いろいろ、そのコメントに、いちいち全部答えているわけにはとてもいきませんから。いろいろな方々がいろいろなことおっしゃるのは、そら、開かれた政党ですから、いろんな方が言われるのは結構だと思います。大いに議論すべきだと最初から申し上げている。ただ、決まった以上は従って頂きます。それが党の方針ですから」
――了承後にこういうコメントが出ることについては?
「さあ、そら、どういう状況になったかと言われても、あなたの言われたコメントが本当かどうかわからないから、答えようがありませんが、私の申し上げているのは、ずっと同じことで、私の申し上げた方針がその通り、総務会にまだ明日、かかっていませんから、政審で了承されたということは大変良かったと思っています」
【09年度補正予算案】
――総理、もう一点。自民党の保利政調会長が、雇用情勢が非常に厳しい中で、平成21年度の補正予算案の編成も……。
「いつ?」
――21年度の……。
「ほー、21年度」
――補正予算案も視野に、検討すべきだと言う考えを示しているが、総理の受け止めを。
「いま、21年度の予算やっていこうとして提出させて頂いたばっかりですから、まだ予算をあげてからの話だと思います」 <asahi.com 2009年1月22日20時3分>
私は笑を堪(こら)えることができなかった。これは強がりではないだろう。単なる負け惜しみに過ぎない。かつて吉田茂首相は「せめて“負けっぷり”くらいは立派にしたいものである」と語ったそうである。意味深である。今日はこのことだけを言っておこう。
それでは、また。