88兆円の国家的浪費!?
08年12月20日
No.1026
財務省が平成21年度予算原案を今日発表する。その額は88兆5500億円だという。史上最大の予算規模だという。私が国会議員になった頃、予算編成は重要な“政治的行動”だった。予算案の最終的決定は年末までかかったものだ。最近はきわめて事務的に決められていく。史上最大規模だという平成21年度予算案もたぶん事務的に決まっていくのであろう。88兆円の税金を事務的に決めていって果たしてよいのだろうか。
予算原案が発表される今日は土曜日である。明日が日曜日。そして火曜日の12月23日は天皇誕生日で休日である。24日はクリスマス・イブ、25日はクリスマスである。27日はもう土曜日、28日は日曜日である。今年の御用納めはいつになるのだろうか。土日、日本の役所は確実にお休みである。こんな日程の中で予算が事務的に決められていく。「お休みの中、ご苦労さん!」と思う人もいるかもしれないが、それは違う。予算編成に“下々の者”など参加させる必要はないという態度なのだ。
88兆円の税金をどう使うかということは極めて重要な政治的問題である。“100年に1度という危機”に立ち向かおうという平成21年度予算は、真剣勝負でなければならない。“100年に1度という危機”に対するということは、非常時である筈だ。そんな緊張感は少しも感じられないし、そんな緊張感もなく “粛々と”事務的に平成21年度予算は決定されていくであろう。しかも予算案を決める自公“合体”政権は国民から完全に見放されている。国民の支持を失った政権が、88兆円もの税金の使途を決めるのである。政治的にいえば、これは莫大な国家的浪費である。予算編成の過程をぜひ見詰めて貰いたい。政治あるいは政権交代を考える絶好の機会であるからだ。
本当に“100年に1度の危機”に立ち向かうというのであれば、あらゆる惰性や慣例を容赦なく排する覚悟がなければならない。このような劇的な決断は政治家だけが成し得ることである。官僚がいちばん不得手とすることだ。政治家というのは、そのような役割を行うために存在しているようなものである。果断な決断と実行力が政治家の力量を決める。自公“合体”政権の政治家にそのような力量がないことは、この数年で明らかになった。
果たして野党の政治家にそのような覚悟と力量はあるのだろうか。自重自戒が必要である。国民にも…。
それでは、また。