Can You change ?
08年06月05日
No.829
今日はやはりバラク・オバマがアメリカ大統領選の民主党予備選で勝利したことを書かなければならないであろう。半年間、このニュースは間歇的に報道されてきた。政治的に気の短い私たち日本人には、あまりにも長かったためにニュース性がなくなっていた。しかし、民主党の大統領候補にバラク・オバマ上院議員が指名されるインパクトはきわめて大きい。
グローバルに世界の政治・経済・文化をみれば、世界には三つの極がある。ひとつはヨーロッパである。もうひとつはアメリカである。あとひとつはアジアであろう。ロシアはヨーロッパに含めることができる。アメリカはアメリカ合衆国を中心とした地域である。世界の人々にとって、アジアはどの国を中心とした地域なのであろうか。中国は間違いなくその一つである。最近ではインドもその一つである。原油高騰で中東は、その存在感を改めて増している。ところでわが国は・・・?
わが国が地域的にアジアに属することは争いがない。文化的にはわが国は間違いなくアジアの国として受け止められているのであろう。そうとしか思えない。しかし、わが国は政治的・経済的にアジアの国と世界から受け止められているのであろうか。それはこれまでのわが国の外交・経済戦略の然らしめるところであり、仕方がない。ところで国民はいったいわが国が三つの極のいずれに属していると受け止めて欲しいと考えているのだろうか。こうなると話は急に難しくなる。
この問題について国民のコンセンサスが形成されるためには少し歳月が必要であろう。現在のスタンスは、明らかにアメリカに偏っている。それには戦後の歴史が深く関わっている。それはやむを得ないところがある。しかし、これからもそれで良いと考える人は少ないのではないか。“日本はアメリカの51番目の州だ”といわれても仕方ないと考える人は、自公“合体”体制の中でも少数派であろう。それならそれで日々の行いを改めなければならない。現在のようなパフォーマンスをしていたのでは“日本はアメリカの51番目の州だ”と受け止められても仕方ないであろう。
オバマ氏はたぶん大統領になるであろう。アメリカ国民にマケイン大統領という選択はないのではないか。困難だがアメリカの能動的な選択としてはオバマ大統領という選択しかないのではないか。Changeと“Yes,We Can.”というキーワードがそのことを象徴している。アメリカ国民はその国と世界を変革したいのである。アメリカ国民がどのような変革を決断し、実際にどのように変わっていくのかを自信をもって予測する能力は私にはない。しかし、そのChangeは私たちが考えるよりかなり大きなインパクトがあるという予感がする。
私たちがChangeしたくなくても、アメリカがChangeしていくと私は考える。その中で私たちもChangeを余儀なくされるであろう。またこの際わが国はChangeした方が良い。アメリカのChangeに合わせて、わが国がChangeすることはそんなに難しいことではない。それができないようではわが国はChangeする力がない国だと受け止められるであろう。自公“合体”体制は、もうChangeする力がない体制だ。このことは道路特定財源の暫定税率問題ひとつをみても明らかではないか。そんな体制をChangeできないようでは、日本国民はChangeする力をもっていない国民だと思われるであろう。生きとし生ける者は絶えず変化している。Changeする力がないことは、死を意味する。
それでは、また。