世論調査の分析
08年05月21日
No.814
ようやく体調が元に戻ってきた。昨日は仕事に支障がなかった。午後6時過ぎに仕事が終わると、悪い虫が蠢(うごめ)いてきた。しかし、私は堪(こら)えた。風邪のためスタッフに迷惑を掛けたのだから、大事をとって真直ぐに帰宅した。永田町徒然草もこの間ちょっとフヤけていたと思う。また元気に気合を入れて書くつもりである。この間のアクセスに感謝する。
昨日の『朝日新聞』に世論調査の結果が載っていた。福田内閣の支持率19%、不支持率65%であった。ちょっと意外に思った人が多いのでないだろうか。もっと支持率が落ちてもおかしくないと思った人が多いのではないだろうか。ここで支持率を福田内閣が誕生した昨年9月からみてみよう。53→47→45→44→31→34→35→32→31→25→20→19%である。最後の3つの調査実施日は2008年4月19・20日(土・日曜日)、4月30日・5月1日(水・木曜日)、5月17・18日(土・日曜日)であった。
いっぽう不支持率の変化は、27→30→34→36→45→46→50→53→60→59→65%である。不支持率が支持率を初めて上回ったのは2007年12月19・20日(水・木曜日)の世論調査であった。『朝日新聞』の世論調査はふつう土日に行われるが、なぜこの日に世論調査が行われたのかちょっと思い出せない。なお、支持率・不支持率の変化をグラフでみたい人があるかも知れないが、残念ながら該当ページが消去されたので、ご勘弁いただきたい。
私は世論調査を分析する場合、調査日の曜日は重要であると考えている。そうすると私たちが手にしている最新の数値は、2008年3月29・30日(土日)、4月19・20日(土日)、5月17・18日(土日)の三つである。この2ヶ月足らずの間の変化は、支持率31→25→19%、不支持率53→60→65%である。この間にあった大きな政治的出来事は、ガソリン税の暫定税率の廃止、再可決によるガソリン税の暫定税率の復活、後期高齢者医療制度の問題化であろう。
強いて付け加えれば、韓国大統領と中国国家主席の訪日があった。両訪日は滞りなく行われた。プラス要因になってもマイナス要因になるとは思えない。後期高齢者医療制度の問題が噴出し政治問題化したことは確かだが、もともと決まっていたことであった。何といっても大きな政治的出来事は、ガソリンの値下げと4月30日の再可決の翌日からのガソリンの価格が元に戻ったことであった。2ヶ月足らずの間に、福田内閣の支持率は12ポイント下落し、不支持率は12ポイント増加した。福田内閣を支持しない人が支持する人の3.42倍もいるのである。
私が世論調査でいちばん重視するのは政党支持率の変化である。上記3つの調査の自民党支持率は、31→26→22%であった。9ポイントの下落である。民主党の支持率は20→22→26%であった。6ポイントの上昇である。両党の支持率がついに逆転した。その差は4%に過ぎないが、政権党である自民党にとっては致命傷である。道路特定財源の暫定税率の復活を画策した自公“合体”体制の顔ぶれ・発言・パフォーマンスは最悪だった。もって瞑すべし。
しかし、気になる数値もある。4月19・20日の調査では「ガソリン税が4月1日から下がりました。政府・与党は、税収が不足するため、ガソリン税の上乗せを元に戻す法案を衆議院で再議決して上乗せを復活させる方針です。あなたは上乗せを復活させることに賛成ですか。反対ですか」という質問に対して、賛成24%反対63%であった。要するにガソリン税の暫定税率廃止に賛成24%・反対63%だったのである。
ところで今回の調査の「政府は道路整備のための今回の再議決に先立って、ガソリン税などの税収を来年度から一般財源化にする方針を内閣として決定しました。この対応を評価しますか」という質問に対して、評価するが41%・評価しないが46%であった。同じく「ガソリン税など道路財源の問題に対する民主党のこれまでの対応を評価しますか」という質問に対して、評価するが31%・評価しないが50%であった。道路特定財源の“暫定税率廃止一本槍”を貫き通さなかったツケがここに現れているのである。攻め方を間違うとこうなってしまうのである。猛省をしなければならない。
それでは、また。