これは、“夢か現か幻か”(その3)
08年04月09日
No.767
マスコミ報道各社が最近実施した世論調査で、福田内閣の支持率が急落しているようである。いつものように世論調査に関する考察は、『朝日新聞』の世論調査の数字に基づいて行おうと思っている。世論調査は連続してみないとこれからの傾向を正しく占うことができないからである。それにしても政局は激しく動いている。私が想定していたより事態の展開は早くなりそうだ。
私がそう感じたのは、小泉元首相と古賀選対委員長の早期解散を容認する発言である。自民党はギリギリまで解散を先送りし、福田首相で行けるところまで行こうと考えていると、私はみていた。福田首相が立ち行かなくなった場合、選挙に強そうな首相を新しく選出し直して解散総選挙に突入するつもりなのであろうと考えていた。しかし、福田首相がそんなにもちそうもない。だからといって半年ちょっとでまた新しい首相を作って解散総選挙に突入するというのは、余りにもミエミエである。誰を首相に選出してみても国民の総スカンを食ってしまうことは明らかだ。
福田首相が立ち行かなくなった場合、そのまま解散総選挙に突入しようと自公“合体”体制は考え始めたのだ。“背水の陣”内閣の“破れかぶれ”解散である。“背水の陣”内閣と自ら名乗った内閣は私の記憶にないが、“破れかぶれ解散”というのは何度かあったような気がする。政局がどうにも動かなくなったとき、政府は解散に追い込まれる。こういうときに行われるのが、“破れかぶれ解散”である。破れかぶれ解散だからといって野党が勝つと決まってはいる訳ではない。そこが政治の難しいところだ。
しかし、破れかぶれ解散をやった内閣が衆議院の3分の2以上の議席を獲得することなど、まず考えられない。自公“合体”体制もそのことを覚悟している。だからこそ、3分の2を超える化け物のような議席を衆議院でもっている間に、道路特定財源の暫定税率を10年間延長しておきたいのである。“化け物”が最後の置き土産をして置こうということだ。道路特定財源の暫定税率が廃止されている現在が、“現(うつつ)”なのである。“夢と幻”は、化け物のような自公“合体”政権与党の再可決による暫定税率の復活である。私たちは、化け物などに負ける訳にはゆかない。
それでは、また。