ギリギリの時に本性が現れる!
08年03月30日
No.755
消費税の税率をアップすることには反対だが、福祉目的税とするのであれば賛成だという声をよく耳にする。ところが、福田首相の道路特定財源の一般財源化発言を評価するという声が、今日の日曜定番の政治番組でかなりあった。福田首相の一般財源化発言を評価するといった論者は、福祉目的税(名称はあくまでも仮である)についてどう発言するのだろうか?
目的税と特定財源とは、どこがどう違うのだろうか。道路特定財源といわれているものには、目的税にかなり近いものもあるが、目的税と明確に根拠法令に書いてあるものは少ない。「消費税を福祉目的税とするならば消費税の税率アップに賛成だという声」と「福田首相の道路特定財源の一般財源化を評価という発言」には、果たして整合性があるのだろうか。
道路特定財源の暫定税率の期限切れのギリギリの段階で、多分いろんな発言がなされるであろう。読者諸氏は論者の発言をよく聴く必要がある。論者の政治的スタンスがよく判るからである。人間の本性は、ギリギリの段階で現れる。「消費税を福祉目的税とするならば税率アップに賛成だ」が、「道路特定財源の一般財源化は賛成だ」という論者は、発言の整合性をどう考えているのだろうか?
ちなみに旧大蔵省や財務省は、目的税にも道路特定財源にも一貫して反対をしてきた。それにはそれなりの税や財政としての理屈がある。道路特定財源の場合は、道路財源が大きくなり過ぎ出鱈目な使途があった。福祉目的税の場合、福祉がその税収によって抑制される可能性がある。このように税は難しいのである。道路特定財源の暫定税率問題を政局に使うなという声もよく耳にする。だが、税は古来から政治そのものなのである。政治的問題なのであるから、それが政局になるのは当然である。
明日には道路特定財源の暫定税率の多くが期限切れになる。軽油引取税は明日から本則税率しか徴収できない。軽油価格は明日から現実に下がる。ガソリンの価格も明日から下がるところが多いという。それはガソリンスタンドの経営者が考えて行うのである。福田首相が心配する混乱など起きない。商売人はこういう時にどう行動するかによって顧客を増やすのである。市場のことは市場にまかせれば良いのである。今日はこれ位にしておこう。
それでは、また。