何のための“緊急”記者会見!?
08年03月27日
No.752
ラジオで選抜高校野球を聴いていたら、福田首相の緊急記者会見があるというので中断された。今日の永田町徒然草で触れておいた記者会見とは別のことでもいうのかと思ったら、そうではなかった。前に発表した私にいわせれば“愚にも付かない修正案”をただ読み上げる以外に特別なことは何もいわなかった。いい加減にしろよ、といいたくなる。
内容は“愚にも付かない修正案”と同じであるから、コメントする必要はあるまい。あえて付け加えるとすれば、道路財源の暫定税率を見直すことはしない理由として福田首相が挙げた二つの理由である。まずひとつは、2兆6000億円の税金がなくなるということであった。そんなことは当り前のことである。だから国政が混乱するというのだ。税収について国民の了解も得ないで、勝手に道路建設予算を組んでることが問題なのである。すでに建設に着手し、工事が中途半端でそのままでは使い物にならないならというのなら問題だが、そういう継続工事の予算がどのくらい必要なのか示さなければ話にならない。継続工事をする予算なら、本則税率で入ってくる税収で十分間に合う筈である。
二つ目の理由は、「地方が困るのだ」と何度もいっていた。地方に金が行かなくなるというのである。いったい何のことをいっているのだろうか。ガソリン税の一部である地方道路税のことをいっているのだろうか。ガソリン税の暫定税率として地方道路税が上乗せになっているのは、僅か0.8円に過ぎない。1リットル当りの4.4円の本則税率はそのまま地方に入るのである。ガソリン税の暫定税率の廃止で大きく税収が減るのは国土交通省なのである。このところが分っているのかといいたくなる。
道路特定財源の全部を一般財源化するという。それはいつもいっているように大蔵省・財務省が一貫して望んできたことなのだ。道路族は国土交通省の道路官僚の走狗だが、福田首相は財務省主計局の走狗になると宣言しているだけなのだ。だから大蔵省・財務省のいうことがこの世でいちばん正しいと信じている小泉元首相が、この問題でまた出張(でば)ってきた。これで符丁が合う。日銀総裁問題でも、福田首相は財務省の走狗(というか単なる“使い走り”)であることが明らかになった。
こちらは前からの予定で出かけなければならない。それでは、また。