いい加減分かってもらいたい!
08年02月24日
No.717
今日は全国的に寒いようである。昨日午前出かける時は、かなり暖かかったが、予報どおり夕方から急に寒くなった。出かける時はちょっと汗ばむようなコートを着て出かけたのは正解だった。春は一直線には来てくれない。政治も同じである。押したと思うと、また引かれる。あまり一喜一憂する必要はない。しかし、寒い冬でもやらなければならないことはシッカリとやっておかなければならない。
最近また小泉元首相が意識的に動き出した。彼の山っ気もあるだろうが、福田首相では自民党の危機は乗り切れないという焦りが後押ししている面もあると思う。自公“合体”体制の限界はいろいろな面で露呈してきているが、だからといって観念するほど彼らは甘くない。最後の最後までありとあらゆる手を打ってくる。これらに騙されることなく、キチンとその時々に有効打を打っていかなければならない。最近ちょっと自公“合体”政権の投げてくるくせ玉に世論は幻惑されているところがある。その一例を挙げよう。
小泉元首相「総理が修正協議を」
―――道路国会巡り呼びかけ小泉元首相は22日、東京都八王子市で講演し、道路特定財源をめぐる与野党対立に触れ、「これは総理大臣しか言えない。そろそろ総理が『野党の主張もよく聞いて、譲るべきは譲っていい案をまとめよう』と言えば、自民党の中で怒る人はいるが、『総理が言うんなら仕方ないか』と修正案の形が出てくる。そういう時期ではないか」と述べ、福田首相に修正協議を呼びかけた。
自民党では道路特定財源をめぐる修正協議について、「まず民主党が対案を国会提出すべきだ」といった慎重な意見が強い。ただ、「小泉改革」で道路特定財源の一般財源化を掲げた元首相の発言だけに、与党内に影響を及ぼすのは必至だ。
また、衆院の3分の2による再議決について、小泉氏は「参院で結論を出したものを衆院の3分の2の多数を使って『与党の言う通りにしろ』というのは、たまにはいいが、しょっちゅう使うものではない」と語った。
報道陣を前にした小泉氏の講演は昨年7月の参院選での応援演説以来。この日は、町村派衆院議員のパーティーで30分以上も「小泉節」を披露した。<asahi.com 2008年02月22日22時26分>
最近いろいろなところで道路特定財源の暫定税率問題で与野党が妥協すべきだという論調を目にする。そのキーワードが“道路特定財源の一般財源化”である。小泉元首相も同じようなことを上記発言の中でいっている。だから私は道路特定財源の一般財源化という主張は要注意だよといってきたのである。道路特定財源の一般財源化は、目新しい主張でも進歩的な主張でもなんでもない。大蔵省といわれた時代から大蔵省主計局が一貫して主張していたことなのである。大蔵省主計局のいうことはいつも正しいのだと思っている小泉氏は、若い時から自民党税制調査会でその意を戴して発言していた。しかし、税の専門家からは相手にもされなかった、いわく付きの主張なのである。このことについて平成13年から私は指摘している(永田町徒然草No.154および155参照)。
要するに6兆円もの税金がある。これを使わない手はないという議論なのである。使う方の役人にとってそれほど都合の良い話はないだろう。しかし、収める方の国民にとってそれは看過できる筈がない。6兆円もの税金の使い道がなくなったのなら、それは国民に返すべきであるというのが税の理屈であり、国民の望みでもある。それいう単純な話なのである。今回問題になっているのはすべての道路特定財源ではない。暫定税率だけは今回廃止してもらいたいということなのである。暫定税率を廃止しただけで少なくとも無駄遣いをするような余裕は間違いなくなくなる。
暫定税率を廃止されたら地方が困ると東国原宮崎県知事などが喚(わめ)いているが、ガソリン税として取られている揮発油税と地方道路税の配分を変えれば現在よりも地方の道路財源はかえって増えるのである。地方が困ることを理由に暫定税率を維持することなど、もっての外である。要するに騙されているのだ。対案を示せと自公“合体”体制の諸君は盛んにいうが、修正協議するならばこの点を見直すことである。暫定税率の廃止は絶対に譲ってはならない。私は一貫してこのことをいっているのだ。正直いって少々疲れる(笑)。もうそろそろ分かってもらいたい。あまり論点を広げないで自公“合体”政権を追い詰めていかなければならない。決戦のときはもう一ヵ月後に迫っているのだ!
それでは、また。