何となく奈落へ!?
07年12月22日
No.651
今週は余りにもいろいろなニュースがあり過ぎた。そうなるとニュースや報道番組をみるとき、どのニュースをどういう順番でどう報ずるかが、もうひとつの興味となる。ニュースや報道番組の責任者は、悩みに悩んでいるのではないか。もっともそれは良心的・批判的な責任者であって、横並びで済まそうとしている責任者が多いようである。それでもまだ良心的な方である。どう考えてもおかしいのではないかというモノもかなりある。
私が最近の出来事や事件をみて感じることは、“末期的現象・症状”ということである。驚愕するというより、“またか”とか“そこまでやるのか”と感じることが多い。そしてやりきれない気分に陥る。“末期的現象・症状”を感じさせる出来事や事件が多い原因は、やはりわが国を支配している政権がおかしいからからである。政権の姿勢や気迫は、社会全体に伝わる。だから、政治は社会現象全体に責任を負わなければならないのだ。わが国の政治の最高責任者は、国や国民が安泰ならんことを神仏に祈願してきたのである。
総理大臣は“戦々兢々として薄氷を踏む思い”で政権を担当しなければならない。その気持ちがなければならない。私が身近でみてきた首相にはそのような気概があった。そのような緊張感があれば、福田首相の口から気の抜けたような頓珍漢な発言は出てこないであろう。与党の幹部にもいいたい。参議院選挙で大敗した与党には、権力の“正統性”に問題があるのだ。少なくとも衆議院選挙で改めて信任を得ないと、“エラそうなこと”をいう資格がないのである。国民はもうそう思いはじめている。与党がいちばん心がけなければならないことは、謙虚さと謙抑である。このことに思いを馳せる与党幹部は、見渡しても皆無である。私が与党ボケという所以である。
国民と政権との関係は、ますます悪くなっていくであろう。それは、一つひとつの出来事や事件が起きる度に深まっていくであろう。自公“合体”政権は、国民と向かい合う基本が間違っているのだ。だから、やることなすことが国民の神経を逆撫ぜするのだ。どうしたらこれを改めることができるのか。それは分かっているが、私はそれをいうべき立場にはない。自公“合体”政権は、もう終らせた方がよいと考えているからだ。一言だけいっておく。それはテクニックの問題ではない。根本を改めないとダメだということだ。
現在の政治情勢は、安倍政権の末期と同じような状況になってきた。私にいわせれば、その時よりもっと深刻だということである。それは、社会情勢が悪化しているからである。安倍政権の末期症状は、どこか漫画チックであった。子供じみた馬鹿らしさがあった。福田政権の現状は、暗くてつまらない私小説のような“やるせなさ”である。“暗さ”である。そして社会全体が暗い奈落に引きすり込まれている感じがする。いまこそ、明るい松明を掲げる政治が求められている。野党は、まず“明るく溌剌”としなければならない。でも、これって結構難しいのですよ。
今日はあえて茫洋としたセピア色の論評とした。それでは、よい3連休を!