福田内閣の支持率急落
07年12月18日
No.647
いくつかの報道機関の世論調査で福田内閣の支持率が急落している。世論調査の数値は、調査方法によって異なるので個々の数値は挙げないことにする。これからも世論調査については、『朝日新聞』の世論調査に基づいて論述したいと考えている。しかし、発表された世論調査によれば、いずれも10%以上も支持率が落ちているという。自公“合体”体制の幹部らは多分相当驚いていると思う。
しかし、政治や世論調査を長年みてきた者にいわせれば、福田内閣の支持率が高くなることを期待すること自体に無理があると思う。内閣支持率という数値がそもそも曖昧なのである。文字通り支持するというものもあるが、特に違和感がないために支持すると答えるものもある。自民党総裁選に立候補するまで、ほとんどの国民は福田康夫なる政治家を知らなかったと思う。知らない政治家を支持するかどうかと訊かれても、多くの人は答えようがない。特別に違和感がなければ、普通の国民は支持すると答える。これが日本人の奥ゆかしさだ(苦笑)。
それにしても私の長年の勘からいえば、あまり風采の上がらない、政治理念もハッキリしない福田首相に国民の支持が集まるとはどうしても思えなかった。そんな首相でも何とかなると考えるところが、自民党や公明党の政治的センスの無さである。もっとハッキリいえば、国民を舐めているといいたい。だから、これまで私は只の1回も福田首相を評価したり、褒めたりしなかったのである。福助の頭ではないが、私のフィーリングからいって国民が福田首相を支持するとはどうしても思えなかったのである。
誰が福田康夫氏を総理総裁にしようと最初に言い出したか、私にはだいたい推量できる。かなりの知恵者といわれている人だが、その人の勘もだいぶ鈍ったなぁと思った。私の勘の方が当たっていたということである。小手先の誤魔化しで乗り切れるほど自公“合体”政権が抱えている危機は、単純でもなければ、根の浅いものでもない。事態はもっともっと深刻なのである。そうした危機感がまったくないのである。いかなる危機があるのか、正しく把握できない者がその危機を脱することはまずできない。
己を知り敵を知れば、百戦危うからずという。逆にいえば、己を知ることができない者は、戦いに勝つことなどできない。永田町徒然草No.640で「内閣支持率は徐々に落ちているが、ある時点で必ずドンと急落する。それが何時かは私にも分からないが、新テロ特措法案を衆議院で再可決したとき、その可能性がきわめて大きいことは確かである」と私は書いた。年金問題だという人が多いが、私は必ずしもそうだとは思っていない。臨時国会の大幅再延長は、万事下手(したて)に出ていた福田内閣が、“衣の下に鎧を着ている”ことを暴露したのだ。支持率が回復することは多分ないと私には思えるのだが……。
それでは、また。