主権者としての気概と能力!
07年07月29日
No.502
今日は参議院選挙の投票日である。総務省の発表によれば、期日前投票が7月27日現在で881万9091人に上り、前回参議院選挙の同時期に比べて52.9%増え、全有権者(1億455万人)の8.44%に達し、最終的には10%を超えそうな勢いだという。投票率はかなり高くなるだろう。その中でおかしな動きがある。今回の選挙から市町村合併の余波で投票時間が最大4時間繰り上げて締め切られる投票所が全体の4分の1強あるという。開票作業を早くするための措置だと説明されている。このことを多くの人々に知らせて欲しいと沢山のメールをいただいた。注意して欲しい。いずれにしても選挙権を有効に行使することを心から望む。
今回の参議院選挙を私はひとりの政治家として最大限の力を尽くして戦ってきた。特定の政党や候補者を直接応援するという形ではなかったが、私には今回の選挙で自公“合体”政権に打撃を与え、政権交代への大きな一歩にするという目的があった。7月11日、今回の選挙の目標値を「自民党と公明党を合わせて50議席前後とする」こととした。その時点ではかなり高い目標値といわれた。これは予測や予想ではない。私の目標値だった。予測値を間違ったからといってもその不明を問われるだけで済むが、政治家が目標値としたことを達成できなければその責任を問われる。野党に有利な情勢が伝えれているが果たしてどのような結果がでるのか、私はいま候補者と同じような気持ちでいる。
今回自民党や公明党の苦戦を強いられているのは、厳しい状況におかれているにもかかわらず相変わらず太平楽な選挙戦を行ったことにも大きな原因があると思う。安倍首相や与党幹部そして自民党候補者の演説を聴いていると“前時代的な発言”を繰り返していた。私が国政選挙にはじめて立候補したのは30年余り前になる。そのときでも今回のような演説をしていたのでは良い結果は得られなかったであろう。いま国民は自公“合体”政権そのものに疑問や懐疑をもち始めているのだ。それなのに政権党であることに開き直った演説をしても反発を買うだけだということが分からないのである。お粗末なものである。自民党や公明党に危機管理能力がないことの証左である。
国民的イベントと呼ばれるものがいろいろある。しかし、国が直接600億円余を使い、投票率が低いといわれても6000万人もの有権者が参加する国政選挙はやはり最大級の国民的イベントだ、と私はいつも思っている。その主役は一次的には政党であり候補者なのであるが、本当の主役は投票に行かない有権者を含めて国民なのである。本当に問われるのは、“正しい意味における国民のパフォーマンス”なのである。今回の選挙で、主権者=権力を作る主体としての気概と能力をもっているのかどうかが、実はすべての国民に問われているのである。消費税とか郵政問題という個別のイッシューが問われている選挙ではないのである。国民がどのような行動をするのか、私は戦々恐々として薄氷を踏む思いでその審判を見守りたい。
それでは、また明日。