不可解で頓珍漢な安倍の動き
15年06月16日
No. 1753
現在の自民党に、司令塔があるとは思えない。しかし、自民党・公明党がいま最大の危機にあることは、疑いのない事実である。こういう時は、自民党・公明党、そしてその連立を維持しようと思っている人たちが、結束しなければならない。その結束している塊が、司令塔なのである。いま、その司令塔が果たしてあるのか。あったとしても、果たして機能しているのか。私の見方は、いずれも否である。
安倍首相は、ひとり夢遊病のように動いている。一昨日夜の橋下徹大阪市長との会談など、この夢遊病的行動の最たるものである。マスコミは、あたかも政局を大展開させる高度な政治行動と持ち上げているが、バカも休み休みといえという類の話だ。政界引退すると表明した者と会って、一体何が生まれるというのか。安倍首相も、心密かに政界引退を決意したのではないかというのが、口さがない永田町の相場だ。
もうひとつは、G7サミット出席前にウクライナのポロシェンコ大統領と面会したことであろう。ウクライナ情勢を少しく注目しているならば、ホロプルシェンコ大統領はもはやウクライナ人民をから支持されていないし、ウクライナ国を掌握しているとも言えないと分かる。こんなポロシェンコ大統領と面談して、いかなる政治的意味があるというのか。おおかた地球儀俯瞰のひとつでも、増やしたかったのだろう。だが、ロシアとの外交交渉の大きな障害になることは、避け得ない。
政権を維持するためには、数人で良いから、命懸けで首相を支えようという政治家が必要だ。私は、宏池会という派閥で、そういう政治家を見てきた。本当に、命懸けであった。いまの安倍内閣には、そういう人がいない。いや、安倍首相自身が作ろうとしてないのかも知れない。だから、これからもおかしなことが次々と起こる。そのときこそ、“池に落ちた犬は叩け”で、攻撃を加えるのだ。先は、そんなに長くはない。