道府県議選、始まる！
07年03月31日
No.381
統一地方選でいちばん統一度が高い道府県議会議員選挙(以下、道府県議選という)が、“いよいよ”始まった。いよいよといったのは、統一地方選といってもいま自分で住んでいる所で選挙がなかった人が多かったと思うからである。都議選がない東京都は都知事選をやっているし、区議選もまもなく始まる。県議選がないのは茨城県と沖縄県だけであるが、沖縄では4月22日に参議院補選がある。知事選も県議選もないのは、茨城県だけである。17ある政令指定都市のうち15市で市議選も始まった。日本列島の各地は、意外に選挙で持ち切りなのかもしれない。
都道府県議選は、各政党にとってきわめて大きな意味をもっている。国政選挙に大きな影響があるからである。これまでは道府県議選では北海道などの例外を除き、自民党が圧倒的に強かった。1人区では、自民党しか候補者を立てない選挙区もかなりあった。しかし、平成の大合併で1人区が少なくなったためであろう、民主党なども積極的に候補を立てたため無投票当選はかなり少なくなった。2003年の無投票当選者は513人であったが、今回は416人だという。この中にはきっと自民党と民主党などの野党しか立候補しないために無投票になった選挙区もあるだろうから、道府県議選もかなり対決型になってきたのだろう。
民主党は前回より213人多い476人の公認候補者を擁立した。良いことである。それでも自民党が擁立した1465人に比べれば、まだまだ少ない。4年後には、同じくらいの候補者を擁立する気迫がなければ、政権交代などとてもできない。要するに都道府県議は、国政の選挙においてそれぞれの市や郡の最高指揮官になるからである。ある地域にバッチを付けた最高指揮官がいる政党とそうでない政党では、何かにつけて大きな違いがあるのだ。平成5年に自民党は野党になったが、圧倒的地域に自民党の都道府県議員がいた。彼らはほとんどの都府県(北海道は横路知事だった)で与党議員であった。この都道府県議たちが、フラフラする自民党の国会議員を支えてくれたのだ。
政令指定都市や東京23区は、都市型選挙区である。従来は自民党が弱いところとされていた。それでも自民党は、自民党系の候補者をシッカリ立てて戦ってきた。その議員たちが、自民党が弱いといわれる都市型選挙区で、自民党の国会議員の選挙をシッカリと支えてくれていたのだ。一昨年の郵政選挙のとき、民主党が強いとされてきた東京都をはじめとする都市部で全滅に近い敗北を喫したのは、都市型選挙区では民主党が強いということに安住して、民主党が都道府県議や市議会議員や区議会議員を育てる地道な努力をしてこなかったツケが出たのだと思う。民主党の国会議員は、風やムードに頼りすぎる嫌いがある。政党や政治家はグライダーではダメなのだ。オンボロでもいい、風がなくても飛ぼうとする“プロペラをもった飛行機”でなければならないのだ。
最後にひとつだけいっておく。3月25日(日)の田原総一朗の『サンデー・プロジェクト』に、公明党の太田昭宏代表が単独で出演していた。いったいあれは何なのだ。いまこの時期に公明党の太田代表だけを単独に出演させる理由が見当たらない。公明党は道府県議選に181人の候補者を擁立しているし、政令指定都市の市議選や東京23区の区議選に多くの候補者を立てている。公明党にしてみれば党の代表が単独で出演する番組は願ったり叶ったりであろう。もし出演することが不利ならば、公明党はこの申し出でを断るであろう。あの党はそういう党なのである。これは“あるある大辞典”の捏造報道より大きな問題ではないのか。だから私は『サンプロ』を“俗悪な政治番組”だというのだ。
それでは、また明日。
