3・11から3年
14年03月08日
No.1658
3月2日から今日までの週は、3月だというのに本当に寒かった。気象情報が「今週は真冬並みの寒さ」と報じていたので、その“覚悟”をしていた(笑)のに、大したことは起きなかった。ともあれ、春の到来を心から望むものである。政治や経済の面でも、いろいろと厳しいことがあった。その元凶は、プーチンと安倍晋三にある。安倍首相とプーチン大統領は、“個人的な信頼関係”を築いているようだが、そうだとしたら余計に気分が悪くなる。
いま論じなければならないテーマは、ウクライナ問題・集団的自衛権の憲法解釈の変更・原発再稼働問題・日米関係および中韓関係などの外交問題など、実に多い。先週の永田町徒然草では、集団的自衛権の憲法解釈について述べたが、少し難しかったのではないかと思っている。この問題は、この1年の最大の政治問題となろう。今後、いろんな面からさらに論じていきたいと思っている。
3・11から間もなく3年となるので、今日は、東日本大震災に関して述べることにする。東日本大震災ほどの大災害が起こると、日本経済にも大きな打撃を与えてしまう。いま東京で見られる不景気は、その直接の原因を探ると、3・11に辿り着くと思えるのだ。経済一般の問題ではなく、東日本大震災が齎した経済不況なのである。3・11は自然現象だが、その災害にどう対処するかは、自然現象ではない。まさに、政治問題なのであった。
東日本大震災は、大地震とそれによって引き起こされた大津波、および原発事故が複雑に絡み合った大災害である。私たちは、大地震そのものによる被害は、阪神淡路大震災などである程度経験している。大津波は、ほとんどの日本人が体験したことのない、未曾有の大災害であった。原発事故は、チェリノブエリと福島の原子力発電所の爆発に遭った人々だけが、人類史上初めて体験した大災害である。
私たちが大きな問題にぶち当たったときに必要なのは、“具体的状況の具体的分析”である。それなくして、私たちは問題を正しく解決することができない。3・11から3年が経ったのを機に、いろいろな報道がなされると思うが、この際あえて、大地震そのものと大津波および原発事故による被害を区別して捉え直す必要があると、私は思っている。それによって、それぞれの災害の対策と復興策も見えてくると信じている。
2万人近くの人々が、東日本大震災で亡くなった。改めて、追悼の誠を捧げたい。東日本大震災は自然災害だが、もし戦争が起こったら何万、何十万の人々の命が失われる。日中戦争および太平洋戦争では、約300万人のわが国民の命が失われ、アジアの数千万人の人々に、甚大な被害を与えたのだ。その深い反省に立って、わが国は戦争を放棄する憲法を定めたのである。
安倍首相とその仲間が行使しようと考えている集団的自衛権を認めれば、間違いなく、日本は戦争に巻き込まれる。何故ならば、わが国を対象としていないAという国の武力攻撃に対して、わが国が武力攻撃を加えれば、Aという国に対して武力攻撃がなされたと見做して、今度は、わが国に対して武力攻撃を加えるのである。これは、政府の行為により戦争が起きるケースそのものである。
政府の武力行使などにより戦争を起こすのを禁じたのが、憲法9条である。憲法をどう読んでも、このようなケースで戦争が起こるのを、わが国の憲法が認めているとは思われない。それが、“普通の日本語”による憲法解釈である。安倍首相とその仲間は、普通の日本語が理解できない人たちなのである。普通の日本語を使えない人たちのいう政治など、普通の日本人は信じない方がいい。それにしても、普通の日本語が通じない政治家が増えてきた。嗚呼…。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。