ヘッダバイパス[j]ump
liberal-shirakawa.net 白川勝彦 Webサイト (HOMEへ)
白川勝彦へメールを送る
永田町徒然草を閲覧しています
自薦論文を閲覧します
白川文庫を閲覧します
フォトエッセイ即写一言を閲覧します
永田町徒然草
自薦論文
白川文庫
フォトエッセイ 即写一言
プロフィル
リンク

 

靖国神社参拝という暴挙

13年12月29日

No.1628

今週は、安倍首相の靖国神社参拝について論じるつもりであった。直ぐにでも永田町徒然草で論じようと思ったが、年末の忙しさで update できなかった。その間、いろいろなメディアで報道されたり、論じられているいるのを見せてもらった。それらを含めて論じなければならないと思って、昨晩から5時間くらいかけて書き、間もなく終わりだというとき、それらを全部飛ばしてしまった。昔はよくあったが、最近では久しぶりのことである。

論を進める上で確認をしなければならないことがあったので、あっちこっちのサイトを開いたまま書いていた。そのせいで、飛んでしまったのだろうか。かなり長かったので、同じことを再び書く元気は、もうない。今回書いたことは頭に入っているので、無駄にはならないであろう。ここでは、結論だけを書くことにする。安倍首相の靖国参拝には、ふたつの問題がある。ひとつは憲法上の問題。もうひとつは外交・国際政治上の問題だ。

最初の問題は、憲法20条1項の「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」の、“いかなる宗教団体も、国から特権を受け”ることに抵触する惧れがあるからだ。靖国神社は、戦前は国の神社であったが、現在ではひとつの宗教団体である。それ以上でも、それ以下でもない。そうでなければならないのだ。それが、憲法上の規定である。

靖国神社の祭神は、明治から今日に至るまで、戦争や事変などで戦死した軍人・軍属などである。東京大空襲や広島・長崎の原爆で亡くなった人々等は、祭神ではない。それらの人々は、靖国神社には祀(まつ)られてはいないのだ。それはそれで、仕方がない。靖国神社の教えなのであるから。毎年8月15日、天皇陛下がお言葉を述べられる政府主催の全国戦没者追悼式は、戦争で亡くなったすべての人々を追悼する式典である。

安倍首相が「国のために犠牲になられた方々に尊崇の念を表したい。そのために、靖国神社を総理大臣として参拝する」ということは、靖国神社の教義には忠実であろう。しかし、そうした参拝は、靖国神社に特権を与えることになるというのが、憲法上の問題なのだ。報道では、公的な参拝か私的な参拝かはあまり問題とならなかったが、あれだけ物々しく参拝したのだから、私的な参拝とは言い難かろう。

憲法20条は、憲法19条の「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」と並ぶ、日本国憲法の根幹的な条文である。昭和憲法を敵視している安倍首相が、憲法20条に無神経なのは当たり前なのだ。しかし、曲がりなりにも言論や表現の自由を標榜するマスコミが、同じように憲法20条を疎かにするのは、理解に苦しむ。かつて、わが国のマスコミは、大本営と一体となり太平洋戦争を煽ったという。現在のマスコミも、安倍首相の改憲に加担しているのではないか、と疑いたくなる。

もうひとつの論点は、外交・国際政治上の問題である。中国や韓国が、安倍首相の靖国神社参拝を激しく非難している。しかし、今回はアメリカもヨーロッパも、強い調子で批判している。このことを、自民党も多くの国民も理解できないようだ。その根本は、ポツダム宣言にあるのだ。わが国は、ポツダム宣言を受諾して、無条件降伏した。ポツダム宣言の第6項は 次のようなものである。

 吾等は無責任なる軍国主義が世界より駆逐せらるるに至るまでは平和、安全および正義の新秩序が生じ得ざることを主張するものなるをもって、日本国国民を欺瞞しこれをして世界征服の挙に出づるの過誤を犯さしめたる者の権力および勢力は永久に除去せられざるべからず。

日本国国民を欺瞞し、これをして世界征服の挙に出づるの過誤を犯さしめたる者」は、極東国際軍事裁判で戦争犯罪人として裁かれた。その戦争犯罪人を、靖国神社は祀っているのである。その靖国神社を日本の総理大臣が参拝することは、「軍国主義者の権力や勢力を永久に除去せら」るべきことに反するのである。中国は、わが国の侵略の被害者だから非難しているのではない。わが国が受諾したポツダム宣言に反しているとして、非難しているのだ。アメリカやヨーロッパの国々も、同じ理由なのである。

第二次世界大戦が終わってからすでに半世紀余が経つが、わが国はポツダム宣言を受諾して戦争を終結したのである。ポツダム宣言は、いまも生きているのである。戦争が終わってもう70年近く経つのだから、いい加減に勘弁してもらいという訳にはいかないのだ。それが、戦争というものの恐ろしさであり、国際政治の現実なのだ。戦争犯罪人をわが国が国内的に許しても、国際社会では、そうは言えないのだ。

安倍首相は、中国や韓国のリーダーに自分が説明すれば、誤解は解けるという。英文で、世界に向って説明するともいう。特定秘密保護法の時と同じで、甘えん坊の駄々っ子の言い訳を見ているようだ。国民も、いい加減にしなければならない。そうしないと、わが国の国益は完全に損なわれてしまう。安倍首相の顔がテレビに映ると、最近私はチャンネルを変えたくなる。こんな男は正面から論じる価値がない。来年は、この男にあまり触れたくないと願っている。

今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。

  • 13年12月29日 04時26分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

白川勝彦OFFICE   白川勝彦へメール送信 ]

Valid XHTML 1.0 TransitionalValid CSS!Level A conformance icon, W3C-WAI Web Content Accessibility Guidelines 1.0

Copyright©K.Shirakawa Office 1999-2016 - Web pages Created by DIGIHOUND L.L.C. All Rights Reserved ©1999-2016
Powered by Nucleus CMS. Page designed by James Koster.Ported to Nucleus by Joel Pan. Re-design and adjusted by DIGIHOUND L.L.C. © 2006-2016