参議院選挙、公示。
13年07月04日
No.1588
今日、参議院議員通常選挙が公示される。7月21日が投開票日である。今回の選挙は、率直にいってあまり盛り上がっていない。しかし、今回の参議院選挙は、戦後でいちばん重要な参議院選挙といってよいであろう。自公“合体”政権は、憲法改悪を現実のものとするため、参議院でも憲法改悪派で3分の2以上の議席を占拠しようとしている。彼らの目論見どおり憲法改悪派がその議席を占拠すれば、まず第96条の憲法改正条項が改悪されることになる。その改正条項が改悪されれば、あとは一瀉千里、昭和憲法が目指した自由主義体制が崩壊してしまう。今回の争点は、この一点にある。
自公“合体”政権側は、いろいろな迷彩を施している。公明党が、自民党の憲法改悪に賛成なのか反対なのかも、実はハッキリしていない。「改正条項だけの先行改悪には“慎重”に」と、今ところいってはいるが、「自民党が憲法改正の発議を2分の1とする改悪案」を強行しようとすれば、最後は、これに追随するのであろう。これは、長い間、自公“合体”政権なるモノの本質を追及してきた私の見方である。
日本維新の会は、最初から憲法改悪派である。その動機・本質が、橋下代表の慰安婦発言で明らかになった。そのため、日本維新の会の支持率は急落したが、中田衆議院議員(元横浜市長)は、「憲法を国民にとって身近なものにするために、発議要件は2分の1にした方が良いのだ」などと発言している。実に噴飯ものである。石原慎太郎日本維新の会共同代表などは、徹頭徹尾、昭和憲法を敵視しているのだ。
みんなの党も、残念ながら憲法改悪派に入れざるを得ない。みんなの党の発言や提言には、それなりに傾聴すべきことあると、私は思っている。しかし、自公“合体”政権と一緒になって憲法改悪をしようというのであれば、「国民みんなの党」とは、到底いえない。問題は、民主党だ。民主党は消費税問題でその信念を変えてしまったから、国民の信頼を失った。憲法問題でも、同じことをやりかねない。民主党候補者の憲法改悪への確かな見解を確認しない限り、安易に支持するのは危険だ。また煮え湯を飲まされることになりかねない。
このような状況で、国民は一票を投じなければならない。しかし、実は国民は、2票をもっているのだ。都道府県の選挙区選挙では、当選可能な相応しい候補者がいないところもあるかもしれないが、比例区選挙は1票の格差もないし、どの党でも誰にでも投票できる。賢明な国民は、この制度を思い切り駆使して、憲法改悪派による参議院の3分の2の占拠だけは、絶対に阻止しなければならない。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。