色はなけれど…。
09年12月18日
No.1371
「今度当選した民主党の衆議院議員は、各選挙区でガソリン税の暫定税率を廃止すると訴えてきた。この思いを大切にして私が最終的に決断する」と語り、鳩山首相はコペンハーゲンに発った。
鬼の居ぬ間の洗濯と言わんとばかりに、暫定税率を維持しようとする勢力は暗躍するであろう。すでに昨日も、いろいろな発言が飛び交っていた。道路特定財源の暫定税率廃止の戦いを振り返れば、国民の想いに応える発言をしたのは鳩山首相だけだった。鳩山首相が“苦しいながらも”頑張ろうとしているのに、党・内閣の枢要な地位にいる人物が勝手な発言をするから、鳩山内閣はハッキリしないと国民がいうのだ。まったく難儀なことである。
ガソリン税・軽油引取税は、民主党などにより一旦は廃止されたのだ。それを化け物のような3分の2を超える議席を使って復活させたのが、自公“合体”政権であった。これに対する国民の怒りは、本当に激しかった。
3ヶ月間にわたり道路特定財源の暫定税率廃止の戦いを行ってきた白川サイトに、昨年の連休中、毎日10万人近くの人々がアクセスした。ガソリン税を復活させた自公“合体”政権は、国民から決定的恨みを買ったのだ。ガソリン税の暫定税率廃止の戦いは、フランス革命におけるバスティーユ襲撃のようなものであった。
「税収が極端に落ち込んでいるから」などという人もいる。しかし、ガソリン税の暫定税率こそ、極端に落ち込んでいる地方経済の狭間で喘いでいる地方の国民から搾り取っている悪税なのだ。怨念の籠ったこんな税金を使ってどんな施策を行っても、幸せは実現できないだろう。
「来年の参議院選挙を考えれば、地方の道路を作らなければ選挙に勝てない」などという人もいるが、地方の国民の想いをまったく理解していない発言だ。話はまったく逆である。民主党が弱いと言われていた地方(特に過疎地を抱えた地域)でも、自民党が惨敗した原因のひとつは、ガソリン税の暫定税率の復活であった。
他にもいろいろな発言があるが、いずれも当時の自公“合体”政権の大臣や党幹部が、恥も外聞もなく宣(のたま)っていたことである。暫定税率の維持に賛成する閣僚や民主党幹部などを“すでに与党ボケしている”と形容したのは、当時の光景が浮かんだからである。それらの人物は、まさかの粛清をされた。ガソリン税の暫定税率は、特別な因縁をもった税なのだ。お金に色は付いてはいないが、税金には国民の想いが込められている。その想いを理解できない者は、政治を語る資格がない。
道路特定財源の暫定税率の話なら、毎日でも書くことが山ほどある。だが、この数日で結論を出さなければならない問題なのだ。鳩山首相は決断を間違ってはならない。鳩山内閣は、民衆革命が作った内閣である。鳩山内閣は、民衆革命の精神を忘れてはならない。民衆革命の先頭に立って戦ってきた鳩山首相が、道を間違うことはないと確信している。だから『翔べ! 鳩山由紀夫』という著書を出版したのだ。政治家は、それなりの覚悟をもって行動しているのだ。
今日はこのくらいにしておこう。それでは、また。