戦略の基本的間違い。
09年08月20日
No.1263
永田町徒然草No.1261「"いよいよ"総選挙公示」で、「現在も自公“合体”政権は基本的な間違いを犯している。何が“基本的間違い”なのか、一両日考えておいてもらいたい。戦略上の基本的間違いを犯しているのだから、戦術面で多少勝っていても大局的な形勢を変えることはできない筈だ」と書いた。いったい何が基本的間違いなのか。
今回の総選挙は、政権選択の選挙である。政権選択とは、具体的にいえば誰を首相に選ぶかということである。“麻生氏か、鳩山氏か”ということである。自民党と公明党の公認候補者は、自分が当選したら特別国会で麻生首相に投票するといっているのである。恥ずかしくて実際にそう言っている候補者は少ないであろうが、原理原則としてそういうことなのだ。自民党を支持する人でも麻生首相だけは勘弁してもらいたい思っている人が多い。これが基本的間違いなのである。
2009年5月13日の永田町徒然草No.1163「鳩山由紀夫民主党代表は…」において、「今日の段階においては、鳩山由紀夫氏を新しい民主党代表に選出することがベストだと私は思っている。その理由は投票日の5月16日までに述べる。鳩山由紀夫民主党代表が誕生すれば、慌てるのは自公“合体”政権だ」と書いた。私は対立候補の岡田克也と比較してそう言っただけではなく、辞任した小沢代表も念頭に入れてそう判断したのである。
党首力とは、“総理大臣としてふさわしいかどうかという資質・力量”である。鳩山氏は麻生首相よりも小沢一郎氏よりも“国民から総理大臣としてふさわしと思われる雰囲気”があるのである。それはひとつの力である。政治家としてもっとも大切な資質・力量なのである。それは日々変化していくものである。 『翔べ! 鳩山由紀夫』を出版した6月末に比べ、鳩山由紀夫氏は大きく成長してきた。いまも日々大きくなっている。
それに比べ、麻生首相は日々その評価を落としている。演説の内容がおかしいのである。よく恥ずかしげもなくそんなことが言えるなぁ、ということを毎日繰り返している。公明党の太田代表もそうだ。「ブレない政策・やり抜く力」などと演説している。平和と福祉の党の看板を恥ずかしげもなく投げ捨てたのは公明党ではないか。よく“ブレない政党”などと言えるものだ。各種の選挙予想で自民党の苦戦が伝えられているが、私は公明党も苦戦すると考えている。
投票日まであと10日。1億人の有権者が本当に今回の選挙の情勢を見極め、動き出すのはこれからなのだ。党首や候補者の一言半句や一挙手一投足が情勢に大きな影響を及ぼす。多くの言葉は要らないのだ。己の真心を訴えることが必要なのだ。そして選挙戦を通じて国民が己に何を期待しているのか掴むことが重要なのである。選挙こそ政治家を育てる絶好の機会なのである。浮かれないで必死に戦って欲しい。
それでは、また。