革命前夜の兆候
09年07月06日
No.1218
昨夜から今朝にかけて、自公"合体"政権の与党の面々は内心恐ろしくなっているだろう。静岡県知事選挙の結果を見てである。この前の横須賀市長選といい、昨夜の静岡県知事選といい、革命前夜でなければ起きない選挙結果だからである。自公"合体"政権の政策能力など、もう明らかにおかしくなっている。しかし、彼らも政治家である。職業柄、選挙の分析くらいはまだできるであろう。
そもそも静岡県知事選を総選挙の前哨戦にしたのは、自公"合体"政権とマスコミであった。民主党がこれを前哨戦と位置付けたのであれば、そもそもあのような候補者選定しないであろう。選挙担当の小沢一郎前代表は、最後まで候補者の一本化を模索した。結局これが上手くいかず分裂選挙になってしまった。自公"合体"政権側は、早々と現職の坂本由紀子参議院議員を推薦して万全の態勢で選挙に臨んだのである。
民主党がなぜ候補者の一本化に失敗してしまったのか、私はほとんど知らない。しかし、保守王国といわれる静岡県で分裂選挙を敢えて行うことは、無謀としかいえない。自公"合体"政権側の選挙担当者は、“これは貰った”と考えたのであろう。だからマスコミにも総選挙の前哨戦と盛んに書かせたのであろう。選挙の常識からいったら、坂本候補が勝って当たり前なのである。 民主党にとっては、“仕掛けられた前哨戦”だったのである。
◇静岡知事選確定得票
当 ７２８，７０６ 川勝 平太 無新
７１３，６５４ 坂本由紀子 無新
３３２，９５２ 海野 徹 無新
６５，６６ 平野 定義 共新
僅差ではあるが、民主党などの野党の勝ちである。選挙では、当選と落選は天地の違いがあるのだ。自公“合体”政権側にとってもうひとつショックなことは、川勝・海野・平野候補の得票の合計が坂本候補の1.58倍もあることであろう。前回の総選挙では静岡県の8小選挙区のうち6選挙区を自民党候補が制しているが、反自公の票が1.58もあると今度の選挙では、半分も獲れれば良い方であろう。
7月12日に投開票される都議選も総選挙の前哨戦と盛んに言われている。麻生首相がその応援で盛んにハシャいでいた。確かに都議選の結果は、国政を占ううえで重要な選挙である。しかし、都議選を総選挙の前哨戦と位置付けることには無理がある。その最大の理由は、都議選が中選挙区で行われるからである。多分ほとんどの選挙区で民主党公認候補はトップ当選するだろう。
しかし、民主党公認候補は自民党と同じ58名しかいないのである。公明党公認候補が23名もいる。公明党は伝統的に強い地盤をもっている。だから都議選においては、劇的な議席数の変化は起きないのである。共産党公認候補は40名いるが、生活者ネットの公認候補は5名、社民党公認候補は2名しかいない。地方選の場合、世論調査の結果はあまり報道されないので、民主党以外の候補者で誰に投票したら自民党や公明党の公認候補を落選させることができるか判断することは非常に困難である。
だから麻生首相は都議選で惨敗しないと踏んで、自民党候補の応援に回ることにしたのである。従って、都議選を総選挙の前哨戦とあまり騒ぎ立てるのは正しくない。それでも東京都の有権者は賢明だから、たぶんビックリするような結果を出してくれるものと私は期待している。革命が起きるとき、シナリオにないドラマが起きるものである。民衆革命においては、民主党が思いもしないようなドラマが起こるであろう。それで良いのだ。民衆革命は、民衆が民衆自身の才覚と力で行うのである。民主党は、これを小さい枠に収めようなどと考えない方が良い。
それでは、また。
