掛け合い漫才に要注意
09年06月30日
No.1212
東国原騒動以来、ニュース報道番組の中で自公“合体”政権に関するモノがやけに増えている。現在のように解散総選挙が迫った場合、本来ならばニュース報道はもうバランスを取らなければならないのだ。それが普通なのであるが、異様に自公“合体”政権の内の政局的な動きに関する報道が多い。何かおかしい。要警戒である。
今朝のNHKニュースのトップは、「麻生首相、党役員改造断行。都議選直後に解散」と断定的に報じていた。昨日書いた大島国会対策委員長の予想の後半のとおりである。実のところ、日曜日の大島氏の発言を大きく報道したのは、NHKだけだったのではないか。大島氏の発言は、氏の地元八戸市における発言だった。自民党の国会対策委員長に対する取材は、ふつう国会内かその周辺である。わざわざ出張先まで付いては行かない。ましてや選挙区帰りに付き合うほど、現在のマスコミには手がない。
しかし、NHKだけは別格である。それぞれの都道府県に支局があるからだ。そこから重いカメラを担いだクルーがやって来て取材できるのである。NHK本部の政治部はこの記事を重視したのであろう。そこで昨日のNHKニュースで大々的に報じた。ところがどの局も後追いしてこなかった。それにムクれた訳じゃないだろうが、NHKは特ダネと考え、これを追っているのだろう。慎重なNHKにしては珍しいことだ。
このニュースに続いて“麻生降ろし”の動きについてかなり大きく報じていた。解散総選挙に関する記事は、これで終りであった。たったこれでけのことであるが、私は急に不気味になった。
ひょっとすると自公“合体”政権は大きなヤマを手に入れたのかも知れない。このヤマを炸裂させて一挙に解散総選挙へなだれ込もうとしているのではなかという“嫌ゃ~な予感”である。そうでなければ、NHKが解散総選挙についてこれだけ先走った報道をすることは異常である。いや、異様でさえある。
ところで、麻生首相を辞任させて新しい総理総裁を選出するという構想はどうだろか。私が前から指摘してきた“四番煎じ”の話だ。自公“合体”政権は本気で考えているのだろうか。話としては面白い。しかし、良ぉ~く考えて見てもらいたい。これだけボロボロになった自公“合体”政権を立ち直せる自信のある者など、いる筈がないではないか。よほど能天気な人物しかいない。そんな能天気な首相を果たして国民は支持するだろうか。
結論。自公“合体”体制の戦略はこうなのではないか。解散ネタでまずニュース報道を掻き立てる。もうひとつは芸能ネタの類のバカ騒動で、ニュース報道を埋める。さらに民主党の問題は盛大に囃し立てる。これはもう掛け合い漫才である。しかし、自公“合体”政権はこれまでのどの政権よりもマスコミをしっかりと握っている。この程度のことを行うのは朝飯前である。政権交代への道にはいろいろな障害が多い。心しなければならない。
それでは、また。