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創価学会党化した自民党(その2)

07年02月02日

No.324

民主主義とタブー

(永田町徒然草No.323から続く)「娑婆(しゃば:仏教用語で、人間が現実に住んでいるこの世界―広辞苑)に住んでいる生身の人間などというものは、多かれ少なかれ独善的なものである。そんな人間が作る団体もまた独善的であり、排他的なものであることは否定できない事実である。このように独善的かつ排他的な人間や団体の人権や利害を調整するシステムとして民主主義が生まれ、多数決原理によって共存共栄をはかる努力がなされている。

しかし、信仰の自由とは、科学的合理的に証明することを求められないことを信ずる自由である。いかなることやものを信仰しようが信仰の自由である。従って宗教団体にこうした傾向があることはある程度やむを得ない。

だがそれは信仰の自由にとどまっている限りにおいてであり、ある信仰に基づく具体的な行動が社会的なものとなったとき、それが法律や社会的な規範によって批判されることを妨げるものではない。

創価学会においては絶対に侵すことができないタブーがあるという。それは創価学会の名誉会長である池田大作氏の言動について疑義を呈したり批判することだという。ちなみにタブーとは、「触れたり口に出したりしてはならない物・事柄」と広辞苑にある。創価学会においては、池田大作氏の存在・言動は批判的に触れたり口にしてはならないタブーなのである。

宗教団体としてそれが特殊例外的な特質なのかどうか、私には詳しく論じる能力も資格もない。しかし社会的な存在としては、現在の価値観に従えばかなり特異な存在となる。政治的な存在においてはそれは特異であることはもちろんであるが、民主主義に違背する許容されない危険な体質とみなされる。なぜならば民主主義の政治の世界では、自らの主張や政策の正当性を科学的・合理的に論証し、相手の主張や政策を同じように反駁することによって利害を調整することが政治の営みと考えられているからである。

批判者を抹殺しようとする自民党

池田大作氏という特定の個人的存在を絶対不可侵とすることが宗教の世界でどう評価・論及されるのか、それは専門家に委ねよう。しかし創価学会においては前記池田タブーに違背したり批判する者を絶対に許さない、さらにはこれを抹殺しようという特異性があるという。これは宗教の世界でもきわめて特異かつ異常な体質とされているようである。
 民主主義の政治の世界では、反対者や批判者を抹殺しようとすることは決して許されない。反対意見が多数決原理によって否定されることは日常的によくあることである。しかし賢明な多数者は少数の反対意見もできるだけ納得させる努力する。

創価学会党の本家である公明党において、池田タブーに違背した政治家が抹殺されていったことを私たちは数多くみてきたところである。同じようなことが自民党でも行われるようになった。抹殺というから刺客という言葉が乱舞した郵政問題を想起する人が多いと思うが、郵政問題は詫び状を出すことで許された。

自民党の中の本当のタブーは、公明党との連立問題である。公明党との連立に反対や批判することはタブーなのである。勇ましそうなことをいう自民党の国会議員はけっこういるが、いまや自民党と公明党の連立を問題にしたり批判する者はいない。タブーなのである。このタブーに違背した者はいずれ抹殺される。池田批判は公明党との連立批判となる。公明党が池田タブーに支配されているように、自民党の国会議員も池田タブーに洗脳されたか、もしくは無批判となった。     」

以上である。いよいよ「創価学会党化した自民党」の本論の展開である。私が自民党を離党した最大の理由は自民党と公明党との連立であった。私のこの考えは間違っていなかったようである。自民党は公明党と連立したことにより、完全に変質してしまった。現在の自民党はかつての自民党ではもはやない。ここを見間違うと大変なことになる。自民党がおかしくなっただけならまだいいが、日本の政治までもがおかしくなってしまった。そのことを事実に基づいて、丹念に述べるつもりである。続編は、『FORUM21』2月15日号の予定である。乞う、ご期待。

それでは、また。

  • 07年02月02日 12時10分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

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